統合失調感情障害は聞いたことがないという方がほとんどではないでしょうか?厳密には統合失調症とは、違います。
統合失調感情障害は、統合失調症と気分障害(うつ病または双極性障害)の2つの症状が現れる疾患です。そして、それらの症状は同時期に起こります。
感情障害でもなく、統合失調症でもないため、見分けがつきにくいため、診断に至るまで時間を要します。生涯罹患率は統合失調症よりも低く約0.3%で、発症するのは男性よりも女性の方が多いと言われています。
【統合失調感情障害の特徴】
統合失調感情障害の症状は日常の生活に影響を与え、発症するまではできていたことでも行うのが難しくなるのです。そのため統合失調感情障害を他の疾病と区別し適切に診断するために、長期的に症状を観察し進行を評価することが必要です。
人格水準の低下は目立たないため、予後は統合失調症より良好であることも特徴のひとつに挙げられるでしょう。
【統合失調感情障害の症状】
統合失調感情障害では統合失調症と気分障害の症状が現れます。ふたつの疾病の特徴が見られることが判断基準になっており、それぞれの症状の時期が重なっていなくてはなりません。
【統合失調感情障害の原因】
遺伝子による原因が報告されておりますが、解明されていないため、はっきりとした理由は特定されていません。
【統合失調感情障害の治療方法】
統合失調感情障害における治療法は、統合失調症と似ています。
薬物療法では統合失調症や抑うつ気分の症状を緩和するために、抗精神病薬や抗うつ剤が処方されます。躁病症状が見られる場合には、気分の高まりを抑えるリチウムやバルプロ酸、カルバマゼピンなどの気分安定剤が使われるでしょう。
治療には薬物療法を用いるのが一般的ですが、症状によって精神療法(心理療法)やリハビリテーションを併用することがあります。
【まとめ】
統合失調感情障害は統合失調症と気分障害の症状が組み合わさった疾病で、あまり馴染みのない方が多いかもしれません。けれど、日常生活を送ることが難しくなる、異常な行動を取ってしまうなど、社会から孤立してしまう要素を含んでいるため、早期に発見することが求められます。
統合失調症や気分障害と区別するために、診断は慎重に行われるため時間がかかりますが、適切な治療を受ければうまく対処可能な疾病です。症状が安定してきたら、周囲の力も借りながら過ごすことで再燃も防げると言われています。ぜひ自分自身や身近な人のためにも、特徴や症状を知っておくといいでしょう。